陶心陶語

岡部嶺男  織部盃のこと

 

岡部嶺男  織部盃のこと

 

 

 
岡部嶺男(1919~1990)  織部盃 
1965年頃作 w7.0×h5.3㎝  共箱 

 

 

 

青瓷作家の最高峰として君臨し他の追随を許すことがなかった岡部嶺男先生。

1960年代中頃より粉青瓷を手掛けはじめ、究極の窯変米色瓷に至るまで、釉調・質感・色彩さまざまに展開し、革新的な青瓷の創造に精力を傾けました。

岡部嶺男の青瓷作品の代表作は、各地の美術館の特等席を飾る存在です。
青瓷を始める前の岡部嶺男先生の作陶は、志野や織部などの桃山陶を起源にするものを手掛け、特に出世作と云える織部は著名で、土の塊のような肉厚の器体にザックリと箆目をいれたタイプの織部作品は、その異形の造形もあって迫力があります。


今回ご紹介する織部は、織部の最終期に制作された酒盃です。
この作品は、肉厚ザックリタイプの織部とは対照的に、卵殻のように薄く作られていて、手にするとふわっとするような不思議な感覚を覚えます。

 


岡部嶺男 織部盃(高台部分)

 

意識的に残された指痕や釉だまりなど、陶芸の見所も満載した一品です。

 

 

 


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