陶心陶語

内田鋼一からの電話

数年前の春先のこと、旧知の内田鋼一さんから電話があり、知人の陶芸家を紹介したいという内容で、良い作品を作る人だから会っていただけないかということでした。
大昔の話になりますが、内田鋼一とは彼がまだ24歳の陶芸家というよりも急須職人として活動していた頃に知り合い、四日市から東京に出てくれば、我が家に泊まって古陶磁・陶芸の未来の話を夜明けまでするなどして、内田の将来性を感じて、のちに陶芸家としてのデビュー個展を黒田陶苑で行うことに導きました。その頃のことは、別の機会に書いてみたいと思っております。
さて、その内田からの電話の数日後、その陶芸家デレック・ラーセンさんから連絡があり銀座で面会することになりました。
デレックがアメリカでの学生時代に出会った日本の陶芸、特に中世の穴窯で焼かれた古信楽に強く惹かれ、日本文化を勉強するようになり、ついには穴窯をアメリカの大学構内に作ってしまったという武勇伝を流暢な日本語で話すことに驚いたが、随分昔に、私の陶語に熱心に耳を傾けていた京都在住の陶芸家と結婚していたことにさらに驚いた。
格別なご縁を感じつつ作品を拝見し、作品の密度を高めてから展覧会の話をしましょうとその日は解散。数年の時を経た結果、このたびの展覧会開催となりました。
歴史ある古都・京都市右京区京北に穴窯を構えて作陶をするデレックさんの仕事をお手にとってご覧いただきたく存じます。

デレックラーセン個展
https://www.kurodatouen.com/eventdata/20170218

 

 

 

 

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