陶心陶語

鈴木伸治さんのこと

 

1976年に岐阜市で生まれた鈴木伸治さんは、陶芸家を志す人々が通う専門学校「多治見意匠研究所」を卒業し、25歳の時に工房を構え創作活動を始めました。
当初は食器などを主に作っていた鈴木さんは、ある時行き詰まりを感じ、子供の頃にテレビでたびたび見かけた加藤唐九郎が作っていた「志野茶碗」を思い出し、独自の志野茶碗を展開するようになります。その後、赤志野・鼠志野を経て、鈴木さんの代名詞にもなっている「紫志野」に至り、人気を誇るようになりました。
この作品は、「自分の赤絵」とタイトルされた今回の展覧会に出品したもので、鈴木さんが原点としている「赤絵」を志野茶碗に施した作品です。
今まで封印していた絵心を思う存分に描き切り、強烈な赤色に加えてその大胆な筆致と構図には、鈴木さんの陶芸への情熱を再認識しました。
古くは、江戸時代にもこのような作風のものが無くはないですし、近代にも手掛けた人が居ますが、絵が描ける・絵の上手い陶芸家が少なくなった現在、またひとつ頭を出してきたなと鈴木さんに言おうと思っております。

 

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