陶心陶語

鯉江良二 オリベ茶碗のこと

 

 

 


鯉江良二(1938~2020)
オリベ茶碗
w15.0×h6.5㎝
共箱
1985年


 

鯉江良二 オリベ茶碗のこと

陶芸家には、愛犬家が多いように思います。
北大路魯山人先生や石黒宗麿先生が有名ですが、鯉江良二先生もその一人。
鯉江の工房やプライベート空間には、いつも犬が居て、その可愛がりかたも鯉江らしい愛情溢れるものだったと記憶しています。

さて、
このオリベ茶碗は、鯉江先生自らが、掘り出してきた地元常滑の鉄分の多い山土を用いて轆轤成形し器面全体に白化粧を施し、その後に鉄絵をして織部釉を施釉しています。

この作品に描かれた抽象文様は、愛犬の手を借りて描かれたもので、鉄絵具に浸された肉球と爪と毛が、多少は嫌がったワンちゃんの反力も手伝い、意図しない不思議な模様になって表れています。

中世の古陶磁にある「猫掻き」を洒落て試されたものでしたが、鯉江先生曰く「猫掻き、ではなく犬掻きだよ」と。

北大路魯山人先生が、成形したての角皿の上を愛犬を歩かせて、犬の足跡付きの作品を残されていますが、愛犬陶芸家の共通する指向であろうか。

才能ある陶芸家は、身の周りにある日常のモノを使って作陶の道具に転用するという話があるが、愛犬の足をも道具にしてしまった。

このタイプのオリベ茶碗の類例少ないその理由は、愛犬「スプーン」の忍耐の限界からきたものだろうと考えます。

 

 


鯉江良二:オリベ茶碗(内側)

 

 


 

 

 


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