濱田庄司 塩釉盃のこと
濱田庄司(1894~1978)
塩釉盃
w8.3×h5.6㎝
共箱
1970年代
濱田庄司 塩釉盃のこと
実作品よりも数倍も大きく映っておりますが、それはこの作品が、あまりにも造形がみごとだったことから、敢えて大きくして、ご覧にいれたかったからでございます。
お洒落で、洋の雰囲気をもつこの酒盃は、濱田の心根にあるハイカラ志向が現れていると想われる。
塩釉は、ドイツ発祥の陶芸技法で、焼成時に高温に灼熱している窯の中に、塩をいれることで、塩がガス化して充満し窯の中で焼かれている器物に釉化付着して施釉するという技法で、濱田は晩年期に多く用いていた。
このタイプのもは、藍色一色や錆色との掛分けが多いが、この作品には、デザイン化された丸文様が施されているのが珍しい。
加守田ら若い陶芸家の躍進を目の当たりにした濱田が忍ばせていたハイカラ心を目覚めさせたとしたら面白い。
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