このたび黒田陶苑では、鯉江 廣さんの個展を開催いたします。
鯉江廣さんは、愛知県常滑の伝統の急須を手がけて40年以上の経験を有する急須作りの名人で、美味しいお茶を煎れることに細心しています。
江戸時代末期から中国趣味が日本で流行し、絵画・工芸など中国の古美術品を日本の富裕層がこぞって蒐集を競いあいました。
中国由来の煎茶を嗜む文化も新たに生まれ、急須の需要が起こります。急須の製造に欠かせない肌理の細かい陶土は、常滑で産する朱泥などが最適とされた結果、明治以降、常滑は急須の一大名産地になります。
「きゅうすは、とこなめ」と云われた常滑の伝統を現代に引き継ぎつつ名人・鯉江廣は、今までにない独創的な急須も作りだしています。
今回の個展では、特に急須に焦点をあてた展覧会になります。
ぜひ、この機会にご高覧いただきたくご案内申しあげます。
あけぼの彩急須
鯉江 廣 Hiroshi Koie
1955 愛知県常滑市生まれ
1975 愛知県立瀬戸窯業高校 陶芸専攻科修了
1982 日本工芸会正会員認定
2016 常滑市無形文化財保持者認定
2017 第1回個展(銀座 黒田陶苑)