河井寛次郎 三色扁壷のこと
河井寛次郎(1890~1966) 三色扁壷
1960年代 w22.8×d11.7×h24.0㎝ 河井つね・極め箱
北大路魯山人先生が、7歳年下であるが同時代のライバルと目していたのが、河井寛次郎でした。
河井寛次郎先生を代表する作品といえば、最晩年に展開した「三色」シリーズを挙げる方は多く、回顧展のポスターや図録の表紙に印象的に使われていることもあり、目
に触れる機会が最も多い作品です。
三色シリーズの作品は、朱・緑・黒(茶褐)の3種類の釉薬を器物全体に流し掛け(垂らし掛け)したもので、江戸時代の日本の民窯にその源流を見うけますが、河井寛次郎先生が三色シリーズを発表していた1960年代当時、アメリカでアートの潮流になっていたアクションペインティングに共通するものが見えてくるのはとても興味深いところです。
河井寛次郎 三色扁壷(反対面)
魯山人先生同様に新しい感覚を素早くとり入れる感性に長けていた河井寛次郎先生。
この作品は陶器の芸術(陶芸)を超越して、もはやアートに接触している作品だと思っております。
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