祖父や父の仕事を手伝いはじめた1980年代の始めの頃には、銀座の街には、今よりも多くの画廊がありました。個性的な画廊主も数多く存在し、それぞれの感性や審美眼でもって、絵画を取り扱っておられた。私は、絵画も好きでしたので、昼食時などに画廊を巡っては、良い絵を鑑賞し、画廊主との会話を愉しんでいた昔々の記憶がございます。本業ではないことをいいことに、いわゆる「売れる絵」よりも、画家の画力・力量は当然のことながら、質感が豊かであり、個性的で力強い絵を好んで鑑賞しておりました。
今回、時間をかけて集めました絵画の中から、八枚を選び、古陶磁などと組み合わせて展観したく存じます。
また、尊敬し敬愛してやまない陶芸家・藤平 伸先生が最晩年に描かれた絵画も併せて展観いたします。
ぜひ、この機会にご高覧くださいますようご案内申しあげます。
黒田佳雄
松田正平 「かれい」/鈴木 治 鉄絵壷
藤平 伸 「赤い音」/藤平 伸 辰砂梟香合
「出品作家」
山口 薫/曽宮一念/棟方志功/安井曾太郎/北川民次/川喜田半泥子/
河井寛次郎/鈴木 治/川瀬 忍/ピーター・ヴォーコス/藤平 伸/古陶磁