この水指が、中世から伝わるような茶室の点前座に置かれて、良いと云われるはずもなく。ただ、そのような茶室を誰でもが使えるはずもない。
昭和の時代に作成された茶道の方程式の難問は、平成の時代が終ろうとしている今、解いておく必要がある。
茶道が大衆に降臨し全盛を極めた昭和の時代を経て、平成の時代に衰退へと向かってしまった。新たな元号となる次の時代に、茶道は再興に向かわなければならない。
四方佛ならぬ四方面(よほうづら)。いかにもアメリカな四人の顔が描かれている水指です。
アートの世界はもとより、ルイヴィトンやディオール、ヴァレンシアガ、リモアなどの数多くの有力老舗ブランドが、ストリートファッションを取り入れるなど、世界はサブカルチャーが主流をなしてきている今。茶道がストリートとタッグを組むと何ができるだろうか。
作品の良し悪しは、未来の人々が判断することなので、結論を急ぐ必要はないが、今、作品を作っておかなければ、未来の人々は判断どころか、見ることもできない。
だから今、今の作品を作ることが必要になる。