河井寛次郎 呉洲香爐のこと
河井寛次郎(1890~1966) 呉洲香爐
1933年頃 共箱 w11.8×d10.0×h9.0㎝
河井寛次郎先生が遺した数ある作品の中でも、香炉は極めて少ないものです。
しかも、この呉洲香爐については、過去の回顧展図録や作品集などにも登場したことがない初見と云ってよいほど稀少な作品です。
中国古陶磁などの古典を模範にして緻密で技巧的な作品を制作をしていた寛次郎が、昭和初年に民藝運動に参画してからは、いわゆる民芸風の素朴な作風に大きく変化しました。
この作品は、昭和八年に制作されたもので、呉洲と呼ばれる藍色の釉と茶褐色の鉄釉の二色の掛け分けの民藝スタイルで構成されています。
着目すべきは、両耳の作りと制作後の仕立てで、両耳は中国南宋の古陶磁にみられる形式を採用し、木製の火舎と基台は当時流行した中国趣味の紫檀細工を採用していることです。火舎の摘みは、瑪瑙で作られています。
寛次郎先生が、当時主流の中国風と新しい民藝との融合を目指して制作したもので、伝統と革新がみごとに融和し共存している極めて上品な一品に仕上げています。
河井寛次郎 呉洲香爐には、紫檀で作られた唐草模様の透かし彫りのある火舎(摘みは瑪瑙)と、四つ足部分に凹みを施した紫檀の基台が添えられています。
香炉の両耳は、中国・南宋時代の青瓷などに見られる典型的な形式で作られているのが興味深い。
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