清水志郎 個展

 

師走の恒例になりました清水志郎さんの新作展を今年も開催いた
します。今回のテーマは五寸五分皿です。
3寸は小皿、4寸は銘々皿、7寸は盛皿、1尺を超えると大皿と伝統
的に1寸きざみで小から大まで作られている日本の皿。京都では
異例に、古くから「ゴウゴ」と呼ばれる五寸五分の皿が存在し、そ
れは破調ゆえのお洒落な雰囲気を醸す、京の雅文化の産物のひ
とつです。暫く前にその話を清水さんとしていて盛り上がり、今回
のテーマになりました。京男の清水さんが作る五寸五分皿をどの
ように使っていただけるかが愉しみでございます。 

 

 


 

 

 


  妙満寺土 厚皿 w16.8×h2.6㎝(左)
伊羅保八手葉皿 w16.5×h8.1㎝(右)

 

 

 

 


朝鮮唐津釉角薄皿 w19.9×d9.2㎝(奥)
朝鮮唐津釉鉄帯角薄皿 w19.2×d8.4㎝(中)
朝鮮唐津釉黒化粧薄皿 w19.5×d9.5㎝(手前)

 

 

 

 

 

 


 


清水志郎 Shiro Shimizu

1979 京都市東山生まれ
   父は清水保孝、祖父に清水卯一
1998 京都精華大学卒業
2014 自ら掘った土で制作を始める
2019 第4回黒田陶苑 個展

 

 


 

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北大路魯山人 伊賀釉鎬四方平鉢のこと

 

北大路魯山人先生の作陶生活のなかで、初期から晩年期まで生涯を通して作り続けられたものは、志野・織部・信楽・伊賀の四通りの作風に限られている。
志野や織部は、年代ごとに大きく変化している様子を見ることができますが、伊賀については、初期作品と晩年作を比べてもさほど大きな変化は見られない。
登窯焼成による焼き上がりの変化に個体差は当然あるが、基本的な作風の変化はないように感じています。
そのことから、魯山人の伊賀作品への愛着と自信を感じることがあります。
魯山人が考案した伊賀釉は、登窯焼成前に松灰釉をたっぷりと掛け、高温焼成であえて釉薬を流下させて、釉だまりを作るというもので、その新技術を以って制作される伊賀釉作品は、美しい発色を呈する深緑色が特徴です。
併せて成形の際に、大振りなハマグリを用いてシノギされ現れる波状の凸凹は、その美しいビードロと呼ばれる深緑色の釉色を引き立てています。
この平鉢は、魯山人の伊賀の魅力がたっぷり盛り込まれた一品です。

 

赤地 健さんの個展が終わりました

およそ20年ぶりに開催した赤地 健さんの個展が終了いたしました。

80歳を過ぎた人が制作したとは思えない新鮮で生き生きした作風に頭が下がります。見習わなくていけません。うつわ中心の展覧会でしたので、ご近所のお料理人さんも多くご来店いただき、それぞれのお店で使っていただくことになりました。

赤地さんのうつわは、わたくしも永年愛用しておりまして、食卓の上で料理が盛られている状態で見るのが一番よいと思っております。今回、お買いあげいただいた多くのお客さまの食卓では、もうすでに、赤地さんの作品の本領が発揮されていると存じます。

みなさま、ありがとうございました。
赤地 健さんのうつわは、引き続き、黒田陶苑の1階の常設展示でご紹介させていただきます。

ぐい呑逸品展 -掌中の美-

 

このたび黒田陶苑では、ぐい呑逸品展を開催いたします。
以前は、毎年開催しておりましたこの展観ですが、最近
では、これはという名器・逸品とのご縁が少なくなってき
ておりまして、皆さまのお目にかなう品揃えとするには
心もとないと実施できないでおりました。歳月をかけて、
このたび、ようやく開催できることになりました。
久しぶりに開催のぐい呑逸品展でございます。
ぜひ会場にて、掌中の美をご実感くださいますようご案
内申しあげます。

北大路魯山人 岡部嶺男 加守田章二 加藤唐九郎 他

 

 


 

 

 


  北大路魯山人 赤玉寫酒飲 共箱 w6.2×h3.3㎝ 

 

 

 


荒川豊藏 志野酒盃
加藤唐九郎 志野ぐい呑み
加守田章二 彩色ぐいのみ
岡部嶺男 黄瀬戸盃
(手前より時計まわり)

 

 

 

 


 

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陶芸巨匠のぐい呑

 

 

高度経済成長を続けていた日本に絵画・彫刻・古美術骨董などの美術品蒐集ブームが巻き起こった昭和40年代、後を追うように現代陶芸の世界にもその動きが始まった。他の美術品に比べて安価で入手できるものも含まれていたため、若い世代や女性も加わり、まさしく老若男女、幅広い人々により現代陶芸ブームが支えられていたのである。
蒐集の対象になった陶芸作品は、若手作家から陶芸巨匠まで人材豊富で、デパートなどでも容易に購入でき、花器・茶道具・食器・置物などアイテムも豊富で、実用性を兼ね備えて、それぞれの購入予算やライフスタイルに添わせることができる利点もあったのである。現代陶芸蒐集の初心者がまず手にとったアイテムは、酒を楽しむための「ぐい吞」であった。数を集める為の場所を取らず、実際に使え、さらには陶芸家の個性を手のひらの上で実感できる喜びを感じることができたからである。
昭和40年代に始まった現代陶芸ブームの中、陶芸巨匠のぐい呑は、数多く誕生したぐい呑コレクターの垂涎の的で、制作数が少ないことから当時でもプレミアがつくほどの人気を誇っていた。
画像は、その陶芸巨匠のぐい呑である。
この4点の作品に共通していることは、そのサイズ感であり、どれも特大ともいえる大ぶりで、それは陶芸巨匠たちが群雄割拠し個性を凌ぎ合っていた時代を象徴するものといえるだろう。

手前から時計回りに、荒川豊藏、加藤唐九郎・加守田章二・岡部嶺男のいずれも昭和40年代に制作された作品で、各陶芸巨匠の個性を顕著に表している一品一品である。

 

赤地 健 個展

 

 このたび黒田陶苑では、赤地 健さんの個展を開催いたします。
傘寿を過ぎてなお精力的に作陶作画する赤地 健さんは、30年
ほど前には、毎年のように黒田陶苑で個展を開催していました。
明るく鮮やかな色絵を軽妙な筆使いでうつわ全体に施す手法で
作られる作品は、食卓を華やかにするばかりでなく、使い心地
にも優れています。
今回は、実用的できれいなうつわばかりの展覧会になります。
ぜひこの機会にご高覧くださいますようご案内申し上げます。

 

 


 

 

 


  赤絵唐草文深小鉢 

 

 

 


赤絵網代文深鉢

 

 

 

 

 

 


 

赤地 健


1938 石川県金沢市生まれ
1954 陶芸に携わる
1965 独立
    金沢市内に工房をひらく
1991 第一回黒田陶苑個展
   以降、定期的に開催

 


 

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小島直喜 個展

 

 

このたび黒田陶苑では、唐津焼の小島直喜さんの個展を開催
いたします。ご先代からの窯元を引き継ぎ、唐津焼一筋で陶芸
に励む小島さん。古唐津の陶片を見て、その技法や素材を研
究・再現しては、自らの作陶に活かすことを繰り返す小島さん
の姿勢に、いにしえの陶芸家の姿を彷彿とさせるものがありま
す。古唐津のほとんどが皿や向付の食のうつわであることから、
小島さんの作品もそうした器に重点が置かれ、茶碗作りなどに
もそれが活かされています。
今回の展覧会では、うつわ・酒器を中心に茶碗など、約150点
の窯出し新作の登場になります。ぜひ、ご高覧くださいますよう
ご案内申し上げます。

 

 

 


 

 

 


  唐津焼のうつわ

 

 

 


唐津焼の酒器

 

 

 

 

 

 


 

小島直喜 Kojima Naoki

1962  佐賀県唐津市生まれ
1974  古唐津の研究を始める
1980  家業の窯元で作陶を始める

 


 

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