寺田鉄平 個展 -瀬戸黒・織部-

 

日本を代表する窯業地・瀬戸で江戸時代後期より代々続く窯元に生れた寺田さんは、瀬戸伝統のやきものを作り続けています。

瀬戸の中心地・赤津の高台にある工房の敷地内には江戸時代の古窯跡があります。幼少期には古陶片などをおもちゃにして遊んでいたといいます。寺田さんはそのような陶芸家としてもっとも恵まれた環境の中で育ちました。お父様の寺田康雄氏の古窯再現プロジェクトを手伝いながら、古陶磁の研究を重ねてきました。

今回の個展では、桃山時代に築造された美濃土岐市にある国指定史跡「元屋敷陶器窯」を忠実に再現した巨大な窯で焼成した織部、近年研究を重ねてきた瀬戸黒の新作を展示即売いたします。うつわも充実しております。

 

国指定史跡[元屋敷陶器窯跡]

 

寺田鉄平

1975 愛知県瀬戸生まれ
   陶芸家・寺田康雄の長男
1998 東京造形大学美術学科彫刻専攻卒業
   家業(製陶業)に従事
2001 独自の制作を始める
2013 第一回個展(銀座 黒田陶苑)

 

 

寺田鉄平 (再現・元屋敷陶器窯を焚く・2014年5月)

三上 亮 個展 -黒 その深き姿-

 

三上 亮さんの私どもでの第4回目の個展になります。

 

闘病・療養を経て現在では、それ以前と変わらずいやそれ以上の創作意欲をもって、作品制作に向かう三上亮氏。近年、透明感のある灰釉や黒釉・粉引などに取りくみ、造形作品も積極的に発表しています。

 

8年ぶりの開催になる今展では、前回の「黒三上」以来、熟成を重ねてこられた黒釉の新作を発表いたします。

 

さまざまな変化を見せる黒。より深みを増し、煌めきを纏った黒は、迫力がありかつ繊細でもあります。

 

8年の歳月によって熟成された極上の黒をご堪能ください。

 

 

穴窯の炎の中から生まれた黒ぐい呑

 

三上 亮

 1959 北海道札幌市生まれ

 1980 東京藝術大学美術学部工芸科入学

 1986 東京藝術大学大学院陶芸専攻科修了

    東京藝術大学非常勤助手/陶芸家 浅野陽に師事

 1996 現代日本の工芸展出品(国際交流基金)

 1998 神奈川県南足柄に自宅兼工房と穴窯を作る

 2002 個展(銀座 黒田陶苑)

 2004 個展(銀座 黒田陶苑)

 2006 穴窯を増設する

 2008 個展(銀座 黒田陶苑)

 2014 第4回個展(銀座 黒田陶苑)

 

 

三上 亮 (神奈川南足柄の工房にて)

-常滑の伝統- 山田 想 個展

 

山田 想は、1979年愛知県常滑市出身。四代山田常山の長男。

2002年常滑市陶芸研究所修了。多治見での活動を経て、常滑に戻り、祖父の三代山田常山と父に師事。

今回、第6回目の個展は、ますます腕に磨きをかけた朱泥急須をはじめ、独創の青い作品や豪快な茶碗まで、多様な作品で構成いたします。

ご高覧をお待ちしております。

 

 

山田 想 やまだそう

1979 愛知県常滑市出身
      四代 山田常山の長男
      祖父は三代 山田常山(人間国宝)

2002 常滑市立陶芸研究所終了
      岐阜県多治見市にて制作

2004 常滑に戻り、常山窯にて祖父三代常山・父山田絵夢に師事

2009 銀座 黒田陶苑にて第一回個展(以降毎年開催)

 

 

 

山田 想 (常滑にて)

-備前-小出尚永 個展

 

 

小出君のこと

黒田陶苑さんで 初個展をさせて頂ける小出尚永は
将来 大いに伸びるものと、ぼくは確信している。
作陶の取り組み方がいいからだ。
彼は、備前の土をしっかり焼き締め、本格的な備前の
よさを出すことに取り組んでいる。
まだ未熟ではあるが どうか彼の作品を鑑賞していただき
 ご指導をお願い申し上げたい。
                                                                  原田拾六

 

 

 

 

 

 

小出尚永   こいでなおえ
 
1978 兵庫県尼崎市生まれ
1997 陶芸家・原田拾六の弟子になる
2011 独立する
    備前牛窓に工房を建てる
2013 初窯を焚く
2014 初個展をひらく

 

 

 

 

小出尚永 36歳

 

 牛窓の窯にて

 

-時代の造形- 八木一夫

1960年代に陶芸の可能性を求め、陶による新しい造形作品を発表した八木一夫。
造形集団・走泥社を率いて、さらにその活動を活発化させてゆき、後にオブジェ焼と称されて、
陶芸の新しい分野を確立することになりました。
そしてまた同時に、生活に根ざした新しい工芸を標榜するクラフト運動を推進してゆきます。
私どもでは、60年代後半期には、クラフト運動に賛同し、八木一夫や山田 光の湯呑や小鉢、
一輪差などを店頭に常設販売しており、当時のお客さまから好評をいただいておりました。
今回の展示は、八木一夫先生が遺された作品の中から、抽象絵画のような絵付けを施した
「絵壷」や彫刻作品に肉薄する「黒陶」を中心に、今まで世に知られていない作品を含め、
多様な作品で構成いたします。ご高覧いただけましたら幸いに存じます。

 

 

八木一夫:略歴

1918 (大正7) 年   京都東山に生まれる

1931 (昭和6) 年   京都市立美術工芸学校彫刻科に入学

1937 (昭和12) 年  商工省陶磁器試験所の伝習生となる

1939(昭和14)年  入隊。1940年に除隊。

1943(昭和18)年  立命館中学校の図画工作教諭になる

1946(昭和21)年  退職し、陶芸制作に専念する

              「青年作陶家集団」に参加する

1948(昭和23)年  「青年作陶家集団」解散。直後に「走泥社」を結成する

1954(昭和29)年  「ザムザ氏の散歩」を発表

1955(昭和30)年  無釉焼締のオブジェの制作が始まる

1957(昭和32)年  黒陶作品の制作が始まる

1959(昭和34)年  オステンド国際陶芸展(ベルギー)でグランプリ受賞

1962(昭和37)年  プラハ国際陶芸展(チェコスロバキア)でグランプリ受賞

1970(昭和45)年  現代の陶芸-ヨーロッパと日本展に招待出品

1971(昭和46)年  京都市立芸術大学美術学部陶芸科教授に就任

             札幌冬季オリンピックのメダルのデザインを担当する

 1973(昭和48)年  京都芸大シルクロード調査隊長として中東へ赴く

             日本陶磁協会賞金賞を受賞

1974(昭和49)年  現代の陶芸-陶板展に黒陶陶板を出品(銀座 黒田陶苑)

1976(昭和51)年  随筆集「懐中の風景」を出版

1978(昭和53)年  還暦記念・八木一夫展を開催。新旧作品を対比した展示を行う

1979(昭和54)年  逝去(享年60歳)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八木一夫 先生