5月1日(水)よりご予約を受け付けております曜変天目酒盃(桶谷 寧先生作品)は、ご希望者多数のため、抽選することになりました。
引き続き、9日(木)までご予約を受け付けております。
この機会をお見逃しなく。
5月1日(水)よりご予約を受け付けております曜変天目酒盃(桶谷 寧先生作品)は、ご希望者多数のため、抽選することになりました。
引き続き、9日(木)までご予約を受け付けております。
この機会をお見逃しなく。
岡部嶺男は、窯業高校時代に鎌倉時代の古瀬戸の倣作・写しを手掛けたのを手始めに、志野や織部・黄瀬戸・瀬戸黒などの桃山時代のやきものに着目し陶芸家としての立ち位置を確立してゆきました。
1960年代後半に、青瓷の研究制作にシフトしてゆくなか、桃山陶の制作は中止しました。
この作品は、岡部の桃山陶制作の最末期のもので、嶺男志野の特徴がとても良く現れている一品です。
土は、純白といっていいほど白く、釉肌はふくよかで、釉色は薄橙色を呈し、色かたち共に他には追随できない魅力に溢れている。
嶺男の志野ぐい呑は、永きにわたり制作されていることで、目にする機会は少なくありませんが、久しぶりに優品に出会えて、このたびレコメンドの一品としてご紹介することにいたしました。
画家の横山操から譲られた中国古墨で書かれた箱書には、上出来と自ら認めたからか筆致に躍動感を感じられます。
桶谷 寧さんの曜変天目茶碗を掌に乗せれば、惹きこまれて見えてくるものは、ヤキモノの神秘。
光を受け輝いている虹彩や大小さまざまに変化する班文、銀河のような筋状は、まさに奇跡の美としかいいようがない。
あのガラス越しの国宝の輝きを手にすることなど夢にも思わなかった。
まるで宇宙を掌にもてあそぶがごとし。
ひと時、惹きこまれ、宇宙の果てまでを想像して、時間と空間を超越する旅にでよう。
曜変天目の第一人者・桶谷 寧氏の待望の酒盃が出来上がりました。
平成から令和へと時代が変わるまさにこのとき、日本の国宝に指定されている曜変天目茶碗三点のすべてが、所は違いますが同時期に拝見することができる奇跡的な機会を得て、再び幻のやきものである「曜変天目」が脚光を浴びています。
今回の桶谷氏の曜変酒盃は、展覧会にするほどの数量がございません。
そのため、1階展示室の一隅でお披露目することにし、販売については、令和元年初日・5月1日(水)より9日(木)まで、店頭にて、ご予約を受付け購入ご希望者が複数になった場合には、会期終了後に抽選にさせていただくことにいたしました。
詳細につきましては、お尋ねください。
このたび黒田陶苑では、広島で作陶している有本空玄さんの個展を開催いたします。志野一筋で活動している有本さんですが、最近は、柿渋と名付けた楽焼や樫の木の灰
を使った灰釉まで手掛けています。
今回の個展では、芸域を広げつつある有本さんの勢いを感じる内容の展観になりま
す。
ぜひご高覧くださいますようご案内申し上げます。
志野壺 h25.2㎝ 210,000yen
志野茶碗 w13.5cm 230,000yen
志野刳貫花入 h18cm 200,000yen
樫灰釉壺 h23.2㎝ 180,000yen
鼠志野向付
ぐい呑 五種
有本空玄 Kugen Arimoto
1963 広島県広島市生まれ
1992 志野焼制作を志す
1995 広島・二ヶ条山麓にて制作開始
1997 公募展などに出品を始める
2000 広島にて初個展
2008 第1回黒田陶苑個展(以降毎年)
「火は不思議な安らぎを人にあたえ、すぎ去った思い出の世界に人を誘う。苦しみも悲しみも思い出は、すべて火に濾過されて涼やかに人の前に立つ。」
激動の昭和が終わるその前年の1988年、藤平 伸先生は京都市立芸術大学教授を退官。まさに平成の時代の幕開けと共に、67歳の藤平は作陶活動を再開し本格始動しました。
それ以前にも作品の制作は行っていましたが、学生への指導に重点を置き多くの時間を費やしており、作品制作は二の次でいた。
1989(平成元)年に日本橋高島屋で開催した個展では、名作「春遠からじ」をはじめとする陶立体(オブジェ)で構成された意欲的な個展を開催し、翌年には鈴木治や山田光、柳原睦夫らとのグループ展「陶芸の現在展」で、人物や動物・建築物をモチーフにした大小さまざまな作品を展開しました。
作品の色彩もそれまでの陶芸作品には無かった幽玄な色調やコントラストを持ったものになり、抽象的で抒情的な作品は多くの人々に受け入れられて人気を誇りました。
そのころから、作品は小型化し、中には掌の上に載せられるような小さな作品も登場するようになり、大学教授時代に作られていた所謂公募展サイズと呼ばれる大形の作品は消えてゆきました。
それには理由があり、大学を離れた藤平が新たな工房として選んだのが、親族の経営する製陶所の一隅を間借りした場所で、焼成にはその製陶所の窯の隙間を利用していたからなのです。
この作品は、平成の幕開けに登場した藤平 伸の飾り香炉です。
五重塔をモチーフに、幽玄な濃淡をみせる藍色釉を纏わせ、細部にまで手を入れた指先だけで形作られた手びねりとは思えない神聖な作風で人々を魅了する一品です。