鈴木伸治 個展



 
このたび黒田陶苑では、鈴木伸治さんの個展を開催いたします。
2019年より自らの手で、しかも既成のレンガではなく、手練りの土団子を積み上げて作った穴窯が昨年末に完成し、このたびその穴窯で作品の焼成が行われました。
今回の個展では、その穴窯で焼成された作品を中心に展観いたします。
原始的な窯で鈴木さんの力量が発揮されています。
ぜひご高覧ください。

 


 

 


穴窯志野茶碗(右) 穴窯引出し瀬戸黒茶碗(左)

 


 

一昨年より進めておりました土塊で作った穴窯が完成し、初窯を焚きました。
一窯焚いて、数個良いものが取れれば。
これからです。        鈴木伸治

 


 


穴窯窯変志野茶碗

 




鈴木伸治 Shinji Suzuki

1976 岐阜県岐阜市生まれ
2000 多治見市陶磁器意匠研究所卒業
2001 多治見市に工房を作り、制作を始める
2007 第1回個展(銀座 黒田陶苑)以降、毎年開催
2020 土塊を積み上げた穴窯を増設

 


 
【銀座 黒田陶苑アネックス】
 
TEL.03-3571-3223
11:00-19:00 毎週月曜日・定休
 
 
GINZA SIXの真裏・「銀座三原通り」に面する銀緑館2階
 
 
 

三輪休和 萩焼酒呑

萩焼の人間国宝・三輪休和先生の最晩年のぐい呑です。

山口県萩市に代々続く三輪家の十代目に生まれ、三輪休雪として萩焼を一躍有名にした三輪休和先生。
名跡を弟に譲り、隠居後は休和と号し、陶心趣くままに作陶をされていました。
このぐい呑は、高台削りを廃した当時としては異例のものです。後継者の11代休雪がこの高台(糸切り高台)を継承したので、今では普通に見ることができますが、伝統ある萩焼では休和以前にはないもので、うつわの高台としては今でも他の萩焼名門では見ることはありません。
休和先生としては、高台を削ることで失われてしまう、土の柔らかさや温かみといった魅力を伝えたかったと思います。名門の当主としてはできなかった自在な想いを小さなぐい呑にこめたかったのでしょう。そういう意味で、この作品は魅力的です。
深い筒形で姿よく、焼き上がりは休和らしく絶品です。
高台脇に「和」の彫サインがあります。紐無しの共箱に入っております。


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三輪休和 | Kyuwa Miwa

1896 
山口県萩市に生まれる
1910  
家業に従事し作陶を始める
1927  
十代三輪休雪を襲名
1942 
川喜田半泥子と交友する
1956  
山口県指定無形文化財に認定
1967  
家督を弟に譲り[三輪休和]を名乗る
1970  
重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される
1977  
逝去(享年86歳)


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中里無庵 斑唐津ぐい呑

唐津焼の人間国宝・中里無庵先生の12代太郎衛門時代のぐい呑です。

古唐津の研究にその一生を捧げたといって過言ではなく、唐津焼を復興した人物でもあります。廃れていた古唐津の技法を研究し実践再現するなど、その功績は偉大です。
作風や箱書きを拝見すると、このぐい呑は中里無庵を襲名する直前の時期に制作されたものと推察できます。1960年代後期なので今から50年前の作品です。
稲藁の灰を使ったやや青味を帯びた白濁釉だけを施した斑唐津で、無庵らしい透明感のある白タイプの斑唐津に仕上がっています。
形状は口縁を玉縁にした筒形で実用に最適で、この美しい見込みを覗きながら清酒をいただく人が羨ましい思いです。
高台はしっかりと削られていて上質な出来映えで、縮緬皺も見事な作品です。
高台内に「タ」の釘彫サインがあります。


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中里無庵 | Muan Nakazato

1895
佐賀県唐津市に生まれる
1914
佐賀県立有田工業高校卒業
1927
12代中里太郎右衛門を襲名
1929
唐津古窯の調査を始める
1966
紫綬褒章受章
1969
隠居・得度し中里無庵を名乗る
13代に家督を譲る
1976
重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される
1985
逝去(享年89歳)


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初代・川瀬竹春 祥瑞四方酒呑

初代・川瀬竹春の遺作ぐい呑を代表する中国古磁器[祥瑞]を倣作した作品です。

白抜きした側面には、陰刻で草花紋が描かれおり、高台は本歌に倣い土見せになっています。
粋な四方の盃は、使いかたを知ると意外にも口当たりがよく酒がおいしく呑めるといわれています。


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初代 川瀬竹春 | 1st Chikusyun Kawase

1894
岐阜県安八郡輪之内町に生まれる
1907
瀬戸に移り、作陶を始める
1910
京都に移り、三代清風与平に指導を受ける
1915
二代三浦竹泉に師事
1919
京都東山南日吉町で作品制作を開始
1927
東山五条に移る
1941
上海にて個展開催
1949
神奈川大磯の三井本家別邸の[城山窯]に招聘される
1953
神奈川大磯に移る
1955
国指定無形文化財技術者に指定される
1966
紫綬褒章を受章
1970
勲四等瑞宝章を受章
1979
竹春の名を長男・順一に譲り、川瀬竹翁を名乗る
1983
逝去(享年89歳)


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松井康成 練上酒呑

練上の人間国宝・松井康成先生のカラフルなぐい呑です。

練上とは、一般的に練り込みと呼ばれる技法ですが、松井先生は練上と称して制作していました。

この作品は、1980年代後半に制作されたもので、とても人気のある色柄の作品です。


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松井康成 | Kosei Matsui  

1927  
長野県北佐久郡に生まれる
1960 
茨城笠間において窯を作り古陶磁の研究を始める
1967  
田村耕一に師事
[練上]の技法を始める
1971 
日本伝統工芸展工芸会総裁賞受賞
1973  
現代工芸の鳥撤展に招待出品(京都国立近代美術館)
1975 
[練上嘯裂]を始める
1978
[象裂瓷]を始める
1981 
[練上茜手]を始める
1983 
[堆瓷]を始める
1985 
[破調練上]を始める
1987 
[練上風白地]を始める
1988  
紫綬褒章を受章
1989 
[晴白練上]を始める
1992  
萃瓷練上を始める
個展[練上陶筥展](銀座 黒田陶苑)
1993  
重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される
2003  
逝去(享年77歳)


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三輪休和 萩焼酒呑

萩焼の人間国宝・三輪休和先生の十代三輪休雪時代のぐい呑です。

山口県萩市に代々続く三輪家の十代目に生まれ、三輪休雪として萩焼を一躍有名にした三輪休和先生。
名跡を弟に譲り、隠居後は休和と号し、陶心趣くままに作陶しました。

このぐい呑は、休雪時代の後期の作品です。休和時代の作風がすでに表れていて興味深い。白化粧を一刷毛したあとに乳白の萩釉をかけています。
指痕を印象的に残して土見せし、味わいある一品です。
高台脇に「休雪」の印サインがあります。紐無しの共箱に入っています。


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三輪休和 | Kyuwa Miwa

1896 
山口県萩市に生まれる
1910  
家業に従事し作陶を始める
1927  
十代三輪休雪を襲名
1942 
川喜田半泥子と交友する
1956  
山口県指定無形文化財に認定
1967  
家督を弟に譲り[三輪休和]を名乗る
1970  
重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される
1977  
逝去(享年86歳)


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田村耕一 鉄絵銅彩ぐい呑

東京藝術大学の教授であり人間国宝であった田村耕一先生のぐい呑です。

鉄絵銅彩という技法を使った田村先生の最晩年の作品で、鉄は茶色、銅は紫色に呈色しそれに青瓷釉の緑色を追加配色しています。
文様は田村先生が草文と呼ぶ抽象的な図柄がつけられ、内側には火間(ひま)を残しアクセントにしています。
発色が理想的に格別で、大振りなこともあり、見どころが多い作品です。
高台内に「耕」の印サインがあります。共箱は、田村先生が好んで使用したオリジナルの布張りケース仕様です。
この時期のぐい呑などの田村耕一の小品は必ずこのケースに入っています。


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田村耕一 | Koichi Tamura

1918
栃木県佐野市に生まれる
1941
東京美術学校工芸科図案部を卒業
1946
富本憲吉に師事
1949
栃木県佐野で制作をはじめる
1950
栃木県窯業指導所の技官になる
1960
日本伝統工芸展奨励賞受賞
1976
日本陶磁協会賞金賞を受賞
1977
東京藝術大学美術学部教授に就任
1983
紫綬褒章を受章
1985
個展[鉄絵銅彩の美展](銀座 黒田陶苑)
1986
重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される
1987
逝去(享年68歳)


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