村上 隆 陶芸プロジェクトのこと

 

村上 隆 陶芸プロジェクトのこと

 

 

2021年、村上 隆さんが、銀座 黒田陶苑で陶芸の作品「魯山人壷 本歌取り」を発表しました。

 

 

現代美術家の村上 隆さん(1962~ )は、以前より陶芸作品に興味を持たれ、古陶磁から現代若手作家に及ぶ、幅広いコレクションをしています。

特に、北大路魯山人については、講演会などでその人物像や制作姿勢に言及するなどしており、もっとも注目している陶芸家だと公言されています。

魯山人の作品に触れたことで発意し、約10年前より陶芸制作をてがけ、このたび機が熟したことで発表するに至りました。

古陶磁に触発され、古信楽の壷を石膏型に取りアレンジして自作として発表した魯山人。

その魯山人の壷を3Ⅾデジタルスキャンする方法で本歌取りした村上隆さんの壷。

「今を生きてる作家の新解釈で芸術のリニューアルを果たしてみたい」と話す村上隆さん。

 

壷が収まる箱は紐付きの桐箱ではなく、コンパネボードで作られた金具止めのボックス。紙が貼られたボックスに、村上隆さん直筆で作品名称と壷の絵が描かれています。

既存の陶芸スタイルとは違う、現代アートの手法を取り入れた仕様が斬新です。

 


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ギンザ・シックス [GSIX] の真裏の三原通りに面する銀緑館の2階にあります。
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北大路魯山人  染付波涛文盃のこと

 

北大路魯山人  染付波涛文盃のこと

 

 

 

春先のことでしたが美術市場に魯山人先生の酒盃が出てきました。

北大路魯山人のぐい呑が市場に現れるのは特別なことではなく、かえって他の作家のものより頻繁に取り引きされる存在になっています。

 

 

 
北大路魯山人(1883~1959) 染付波涛文盃 
1930年作 w5.6×h3.2㎝  黒田陶々庵箱



しかし、今回ご紹介するぐい呑は、魯山人の作陶の初期に制作された一品で、昭和5(1930)年に行われた新作展パンフレットに同手のものが掲載されていることから、同じ時期に制作されたものと考えております。

当時作られた桐箱は箱書きも無く経年劣化もあるため、このままの状態でご縁を繋ぐには躊躇いを感じ、分散もまたご縁と想い、一つづつの桐箱を新調することにし、さらに名器ゆえに仕覆も誂えることにいたしました。

柔らかい光沢を湛えた白磁に淡く優しい染付で波涛文を描いた魯山人のとても上質な酒盃の一品です。

 

 

 


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-魯山人再定義-

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Redefining Rosanjin  /  Takashi Murakami

至高の陶芸術創造への道
村上 隆

この度、銀座 黒田陶苑さんで、魯山人を再考察する為の展覧会を行わせて頂くことになりました。その内容は、信楽や織部の写し壺を、さらに本歌取りするというプロジェクトで、私、村上隆が企画をして、陶芸家 村田森が実際に制作した壺の展示販売となります。

もう十数年前から、銀座の黒田陶苑で魯山人のあれこれを購入させてもらっていて、その中でも信楽の写しの壺を手に入れたときに、なんというか、魯山人の芸術家としての悲哀を感じて、シミジミと感動しました。何故、魯山人は、骨董を石膏で型を取って、自分なりに焼いたのか。

僕が予想したのは、最晩年の作品ということで、魯山人本人が思い通りに職人さん達を扱えなくなってきたのかなと想像しました。うまいこと技術や想いが伝達できないなら、骨董の型を取った方がいいんじゃないかということで、やったのかなぁと。

それから魯山人が持っていた、膨大な骨董コレクションが集まる集古館の中で、どうしたら自分の持っている知見というものを、オーディエンスと共有可能なのかという実験でもあったのかなぁ?と。

あまりに批評家、コレクター等との知識の差がありすぎて、「おまえらには、わからんと思うけど、芸術というのはこういう事なんじゃ!」という雄叫びであった気もするのです。

しかも、当時の批評において、魯山人は、オリジナリティーがないということが、取り沙汰されていて、低レベルな批判の対象でしかなかったのではなかろうかと。

オリジナル、コピーの境界線の問題。創造の世界の中心とは何かを考える部分でも、魯山人は、現代の先取りをしていたと思います。写しとは、概念そのものを写してくるということは、どういうことなのかという、温故知新の真髄をやっていたと思います。

で、僕らは現代の技術を使って、魯山人の冒険の追体験を行おうと思いました。

魯山人写しの壺をデジタルスキャンして、そのデータを2〜3日かけて、クリンナップして出力して行く。このプロジェクト始めたのが、6年ぐらい前だったんで、1壺を透明樹脂で出力していく方式で、約150万円〜250万円ぐらいかかってしまい、それが4つ。そこから115%の大きさで、もう一回、発泡スチロールで出力し、それを原型にして、村田森さんの工房にお願いして焼いてもらったのです。もちろん村田森さんの工房での四苦八苦、七転八倒は、筆舌に尽くし難きでしたが、そのことは、ここでは割愛します。

そんな形でつくられた作品です。

それからもう1つ、本展で提案したいことは、芸術を所持すること、購入する行為とは人生においてどう言った体験なのか?という問いかけを行って欲しいのです。

骨董や陶芸作品を購入される方々は、皆、知識を溜め込み、その知識を駆使して、ああだこうだと、うんちくを語りますし、作品を理解し購入する手がかりとします。

それは正しいことではありましょうが、それだけでは、芸術を理解することにはならないのです。

じゃあ千利休が、黒楽茶碗を作らせた時なども、そのようなうんちくを語るようなことから逆算されて作られたようなものだったでしょうか。

答えは違うと思います。

争点は、全く新しい美の発見、気付きを与えられるかどうか、であったハズです。

ある日ある時、人生が全て変わる瞬間がありますが、芸術を所持するというのは、そういった経験です。

ですので、これが好き嫌いであるとか、ちょっと綺麗とかこの辺が好みであるとか、というレベルの話ではないのです。

なので、その辺も気がつきつつ、今回のプロジェクトを観ていただき、そして購入していただければと思うのです。

 


 

 

村上 隆  Takashi  Murakami

1962   東京生まれ
1993      東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了

 

村田 森 Murata Shin

1970    京都生まれ
1993 京都精華大学陶芸コース研究科卒業

 


 

このたび銀座 黒田陶苑アネックスでは、-魯山人再定義-村上 隆×村田 森展を開催いたします。
現代美術家の村上 隆さんが企画制作監修をし、陶芸家の村田 森さんが製作するという陶芸プロジェクトです。
最新デジタル技術を使った最先端の陶芸作品、12点を販売いたします。

 

※今回の展覧会は、特別展のため、会期中は無休で開催いたします。

 


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石黒宗麿  唐津盃 のこと

 

石黒宗麿  唐津盃 のこと

 

 

 
石黒宗麿(1883~1968) 唐津盃 
1940年頃作 小山冨士夫箱  w7.3×h5.2㎝ 

 

 

30年以上前、頻繁に、小山富士夫作品の鑑定と箱書きをお願いする為に、所定鑑定人であったご子息の小山岑一氏をお訪ねしていた。
そのお宅は、鎌倉・二階堂にあり、小山富士夫先生が暮らし制作拠点にされていた所でした。

鎌倉らしい風景を眺めることができるお二階の応接間には亡き小山富士夫先生のコレクションが飾られていて、箱書きを待つ間にそれらを鑑賞するのが愉しみだった。

中国古陶磁や古唐津に並んで、盟友であった石黒宗麿先生の三彩や唐津の作品も飾ってありました。
小山岑一先生から、コレクションの来歴やお父上の冨士夫先生の想いをお聞きするのも愉しい時間でした。

お気に入りだったというお話を聞いたからなのか、その石黒宗麿の斑唐津風のぐい呑は印象深いものになり、毎回、そのぐい呑を手に取らせていただいておりました。

その後、小山岑一先生は岐阜・花ノ木に転居され、あの美的な鎌倉の邸宅は売却された。
小山富士夫コレクションは、すべて花ノ木に運ばれましたが、小山岑一先生がお亡くなりなったあとに、そのコレクションたちは売却されることになり、散逸してしまいました。
石黒宗麿の作品も行方知らずとなりましたが、最近になって、これが美術市場に出てきて驚いた。

そのズシリとした重みや高台の緋色が、30年前の記憶どおりで、その瞬間にあの鎌倉の景色を思い出してしまった。

 


作品の箱の小山冨士夫先生による表書き「唐津 盃」


上質な仕上げの箱に収められています。

 


箱の裏書き「石黒宗麿作 古山子鑑」

古山子は、小山冨士夫先生の雅号です。

 


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陶藝逸品展を開催しております。

 

陶芸の逸品・名作を集めて展観する「陶藝逸品展」を開催しております。
今回は、加守田章二の名作「彩陶壷」をはじめ、濱田庄司の大作や富本憲吉のお洒落な逸品など取り揃えております。
ぜひこの機会にご高覧賜りますようご案内申しあげます。

7月1日(土)まで開催しております。

陶藝逸品展の詳しい内容は⇒こちら

 


 

 


北大路魯山人:紅志野徳利

 

 

 

 


 

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吉田周平個展 -青瓷・青白磁-

 


 
  このたび銀座 黒田陶苑では吉田周平さんの個展を開催いたします。
大学時代から青瓷作品にとりくみ、奥深い青瓷の美の探求を続けて
います。
今回の新作は青白磁も加わり作風も変化いたしました。
ぜひご高覧賜りたくご案内申しあげます。

 


 


青瓷壷 w20.0×h18.1㎝

 

 


 

 


(左)青瓷杯 w9.4×h3.7㎝ (右)青瓷ぐい呑 w7.2×h6.4㎝ 

 

 


 

 


吉田周平 Yoshida Shuhei

1979 石川県金沢市生まれ
1997 東北大学理学部 入学
2005 東京藝術大学美術学部 入学
2009 東京藝術大学 美術学部工芸科陶芸講座 卒業
2011 東京藝術大学大学院 美術研究科陶芸専攻 修了
    教育研究助手を務める(~2013)
2014 神奈川県茅ケ崎に工房を作り、制作を始める
2021    第8回個展(銀座 黒田陶苑)

 

 


 
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菱田賢治個展 -陶漆-

 


 
  このたび銀座 黒田陶苑では陶漆作家の菱田賢治さんの個展を開催いたします。
菱田さんが手がける陶漆は、陶胎漆器と呼ばれるもので高い技術と感性を必要
とするものです。
今回は、新しい技法を取り入れて10回目の記念個展に挑まれます。
ぜひ、ご高覧くださいますようご案内申しあげます。

 


 


黒漆茶箱 [月海]    w21.5×d14.5×h13.4㎝

 

 


 

 


波図亀甲青磁茶碗   w13.0×h8.5㎝

 

 


 

 


菱田賢治 Kenji Hishida

1964 神奈川県横須賀生まれ
1989 東京藝術大学美術学部デザイン学科卒業
1991 東京藝術大学大学院修士課程修了
    株式会社電通入社
2008 伊豆熱川に工房を作り、制作を始める
2012 第1回黒田陶苑個展(以降、毎年開催)

 

 


 
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